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第23回(2020年) 受賞作品〈岡山県岡山市〉

第23回(2020年) まちづくり・都市デザイン競技は、岡山県岡山市の「旧城下町地区」(約115ha)を対象に実施しました。
全国から71作品の応募があり、入賞作品が下記のとおり選定されました。
 *岡山市長特別賞は、岡山市にて選定されました。

  
スケジュール
 応募登録期間 : 令和2年10⽉1⽇(木)〜令和3年2⽉26⽇(⾦)
         ※現地説明会参加希望者・質疑提出希望者は
         令和2年10⽉28⽇(水)まで
 現地説明会  : 令和2年11⽉4⽇(水)
 質疑受付期間 : 令和2年11⽉4⽇(水)〜 11⽉11⽇(水)
 図書提出締切 : 令和3年3⽉9⽇(火)17 時必着
 審査委員会  : 令和3年3⽉23⽇(火)

応募要領

(448KB)

国土交通大臣賞

作品名
カルチベート・オカヤマ
 まちを耕し育むカルチベート・フィールドでつなぐ岡山の魅力

 
受賞者
小粥 慶子 [有限会社 小野寺康都市設計事務所]
渡部 美香 [株式会社 三菱地所設計 都市環境計画部]
審査講評
  • まちの中の低未利用地を、カルチベートし、まちづくりの芽を育み、アノニマスで「地」から次世代の岡山を創っていこうとする新しい提案。コアとなるセンターフィールドが、新しい拠点として明確に位置付けられていて、まちの将来像、回遊性、ストックの活用という競技設計の目標を、革新的にクリアしている。
  • カルチベート・フィールドと名付けられたオープンスペースの連携の可能性を追求した秀作。現地調査をもとにした説得力のある「まちなかの小さなつながり」を生み出している。
  • まちを耕し育む、とのテーマで街の中の様々な場所を見つけ出し、そこで期待される空間づくりや活動をきめ細かく積み上げることにより既成市街地を改善していくといった方法を評価した。
  • 対象エリアの中心となる、旧内山下小学校の校舎を活かし、継続して学びの場として活用することで、まちの記憶をつなぐことを見込むなど、時間的な継続性も考慮されている。
1枚目
2枚目

まちづくり月間全国的行事実行委員会会長賞

<該当作品なし>
審査委員会において、当該賞に該当する作品を選定した後に、作品提出者より、応募を取り下げたい旨の申出がありました。審査委員会として審議の結果、応募要領「15.失格」に該当する事由があることから、これを受理し、当該賞に該当する作品はなし、といたしました。

(公財)都市づくりパブリックデザインセンター理事長賞

作品名
A PARK
~多様な受け皿の連鎖による活動・にぎわいの共有~

 
受賞者
前田 幸大/ 田中 亨/ 松本 識史/ 與猶 久恵/ 芥 慎太郎/ 山下 絢子/ 永田 湧也/ 仲松 孝洋
[株式会社 オオバ]
審査講評
  • 「亜公園」に着目して、空閑地の改変から都市デザインへ迫ろうとするテーマ性の強い提案。地区全体のビジョンにも目を配っているため、大きな構想に支えられた提案である。
  • 地元で、明治期に創り出された「亜公園」に光をあて、次世代へと手渡すことのできる「A PARK」を都市デザインの切り札として提案されたことが、力強いメッセージとなって伝わってくる作品。大きなコモンズを真ん中にすえたことは、革新的。
  • 旧内山下小学校跡地を岡山城天守や後楽園とのつながりも考慮した多様な活動・交流が可能なオープンスペース(Co a park)として整備することにより、岡山駅からの人の誘導の強化にもつながる提案を評価した。
  • 都市スケールで展開する力強さの提案も期待したい。
1枚目
2枚目

奨励賞

作品名
アートプレイスメイキング
-活動を生む場所をつくり、土地の記憶を受け継ぐ-

 
受賞者
河﨑 篤史/ 植田 啓太/ 大貫 絵莉子
[東京大学大学院工学系研究科都市工学専攻]
審査講評
  • 歴史ある既成市街地の再整備ということで、難しくテーマを構える作品が多い中、シンプルにすべき方向を定め、それに素直に空間提案を示すといった、好感度の高い作品である。
  • アートを軸にまちづくりを展開しようという案で可能性を感じる。さらなる実現性の向上に向けて、事業の収益性についての検討も期待したい。
  • 足が地についた地区分析をもとに、アートに軸足を置いた提案に絞った注目すべき案。センスの良さが感じられる提案となっている。
  • アートを、土地の記憶を新しい空間の形として提示するという考え方が、地域特性に応じて展開され、大きな都市デザインにリンクしている点を評価した。
1枚目
2枚目

奨励賞

作品名
ともに愉しむ庭
現代と江戸 城下に広がるもうひとつの庭

 
受賞者
鬼塚 祐希/ 兼藤 聡也
[九州大学大学院人間環境学府都市共生デザイン専攻]
審査講評
  • 岡山の代表的な遺産の後楽園にならったまちづくりをすることで、岡山の歴史や文化を活かしつつ、路面電車のルートを大きく変えるなど大胆な提案を含む作品である。
  • 都市の分析と地区レベルでの提案のバランスが良くとれた作品。パース図にも説得力がある。環状路面電車のルートを県立図書館前、県庁前を通るように変更するなど、面白い提案も数多く含まれている。
  • 天下の名庭「後楽園」の意匠を都市デザインにトランスフォームしたコンセプトは、数多くの応募作品の中でも唯一であり、発想の豊かさを評価した。
  • 往々にして地図の向きを変えると街が違って見えるもの。本作品も東を上に見せる配置で、川と街の関係が変わって見え、庭園、城、川といった空間に支配されている市街地と見えたことが、提案内容とうまく繋がっている。
1枚目
2枚目

岡山市長特別賞

作品名
人と繋がり、まちが繋がる
-文化芸術を軸とした回遊拠点づくり-

 
受賞者
金田 貴史/ 田中 陽朗/ 三好 花保/ 井上 龍輝/ 水谷 蒼
[株式会社 エイト日本技術開発]
牧野 英輝[株式会社 二神建築事務所]
審査講評
旧城下町地区は、岡山城や岡山後楽園等の歴史資産や、美術館、博物館等の文化施設が集積するエリアであるため、本作品では、こうしたエリアの特性を踏まえ、文化芸術を軸とした回遊・交流の拠点づくりを提案している。
岡山城に近接する旧小学校周辺を、当地区のエントランス機能を有する回遊・交流の拠点とするため、文化芸術をテーマとした交流機能を持つアートセンターを設置し、市民や観光客が日常的に利用できる一体的な公園として整備する提案については、烏城みちを石畳舗装にすることで既存の交通機能と公園機能の融合を図るとともに、岡山城等の歴史資源を活かしつつ、新たな文化芸術を発信していく機能を持たせたところを評価した。
また、地区内に点在する低未利用地を休憩場所兼芸術作品の展示場所としたり、表町商店街の空き店舗を住まい型アトリエにすることなどにより、住民・観光客・アーティストなど多様な主体が「文化芸術のまち」を共に創り育てていくという提案については、令和5年度の開館に向けて整備が進む岡山芸術創造劇場と表町商店街を結ぶ歩行軸沿線で文化芸術活動を振興し、開館の効果を対象地区の課題解消と賑わい創出につなげようとする提案であったことを評価した。(岡山市)
1枚目
2枚目

総評

  • 旭川のほとりで、江戸期より営々として築き上げられてきた都市の名作・岡山市の新しいチャレンジをうながす設計競技であった。
  • 国土交通大臣賞の「カルチベート・オカヤマ」はスタティックな都市デザインを越えて、動的に展開するダイナミズムを表出したという点において、これまでの都市デザインを越えるものであった。
  • ひとつひとつの作品が、ユニークで、光り輝く宝を内包しており、都市デザインの可能性と未来を示唆する設計競技になった。
  • 全体によく考えられた説得力のある空間が提案されていると感じた。ただし、その実現に向けたプロセスの提案が少なかったのは残念。回遊性の向上のための多くのアイデアが得られたのは大きな収穫と言える。
  • 全体としては、小さな場所からの変化に期待する提案が多く、これは最近の社会傾向を反映している。一方で、都市や地区を大胆に構想する自由な発想を求められていることに十分な留意を期待したい。

競技結果の概要(応募件数・審査の様子・受賞作品・審査講評)

受賞作品の展示について

受賞作品のパネルを、国土交通省(合同庁舎3号館)1階展示コーナーにおいて展示します。
 日  程  令和3年6月14日(月)午後~ 6月30日(水)

過去の入賞作品

過去の入賞作品はこちらをご覧ください
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