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第24回(2021年) 受賞作品〈埼玉県さいたま市〉

第24回(2021年) まちづくり・都市デザイン競技は、埼玉県さいたま市の「浦和駅周辺地区」(約94ha)を対象に実施しました。
全国から55作品の応募があり、入賞作品が下記のとおり選定されました。
 *さいたま市長特別賞は、さいたま市にて選定されました。

  
スケジュール
 応募登録期間        : 令和3年10⽉1⽇(金)〜令和4年3⽉1⽇(火)
 オンライン説明会    : 令和3年11⽉5⽇(金)13:30-14:40
 質疑受付期間        : 令和3年11⽉5⽇(金)〜 11⽉12⽇(金)
 応募図書提出締切 : 令和4年3⽉15⽇(火)17 時必着
 審査委員会           : 令和4年3⽉29⽇(火)

応募要領

(497KB)

国土交通大臣賞

作品名
URAWA Urban Museum
 「都市の記憶」を発見・共有・発信するまち

 
受賞者
砂川 良太  [株式会社 オリエンタルコンサルタンツグローバル]
審査講評
  • わかりやすい空間構成をベースとして、丁寧に考えられている作品。中山道の一本西側の南北道路を軸としたコアエリアを設定し、生活のイメージをうまく抽出(描写)しており、建築のイメージも明快である。
  • 都市の歴史性・特性や目標を踏まえて都市デザインの方針を示すという、オーソドックスな構成のもとに、都市デザインへと昇華させた作品。特に、コアエリアのマスタープログラムが緻密に考えられている。
  • 募集内容の1つである「まちの魅力をさらに磨くゾーン」として、玉蔵院周辺を書き込み、浦和駅西口駅前広場については整備時期も異なるとの考えからか、かなり異なるテイストでまとめている。本競技の広範な要求に対して、的確かつ素直に対応している点が高く評価された。
  • まち再生時代を迎える中で、対象地区の特性から見えてくる魅力ある都市デザインの“手法” を発見し、各所にその場所性に対応した独特な“空間像” を提案している。共感できる多くの示唆を与えてくれる貴重な作品と高く評価できる。
1枚目
2枚目

まちづくり月間全国的行事実行委員会会長賞

作品名
うららか うらわ
ゆったりとスマートを兼ね備えたまち
 
受賞者
石田 武/ 半澤 武夫/ 野島 僚子/ 山崎 ひかり/ 前山 倫子/ 杏村 潤貴/
矢口 伊万里/ 長坂 康汰/ 木野 朋彦/ 佐久間 萌美/ 西川 陽温
[大成建設 株式会社]
審査講評
  • 浦和駅から埼玉県庁へ至る東西軸と、中山道の南北軸とから成る都市構造を強調したプランに説得力がある。駅西口から県庁に繋がるエリアをコアとしてとらえ、わかりやすい表現でデザインをしている点が評価された。なお、データインフラで支えるまちづくりの取り組みを、新しいパーツという意味で挑戦するアイデアがあれば、より良かった。
  • 人々のまちに対する評価を、データインフラを活用してフィードバックすることにより、まちの自律成長を促すシステムを提案している。東西、南北の二軸を中心とした空間構成などがバランスよく提案されている作品。
  • 人の空間とそれらをつなぐ移動に着目しつつ、スマートかつ未来感のある提案である。現実の都市に対して、提案がより分かりやすい内容であれば、なお良かった。
  • 駅前空間における人と車の関係性を、人間ファーストに徹した空間再編する提案を評価した。一方、官庁街の地区全体の全面的な大規模建替えについては、パネル1枚目に掲げている「歴史から見えてくる浦和の進むべき道とは」に逆行する提案となっている点には疑問を感じる。
1枚目
2枚目

(公財)都市づくりパブリックデザインセンター理事長賞

作品名
エネルギードリブンのまちづくり 『自己実現都市 - 浦和』
 
受賞者
栗山 康輔/ 土居 正裕/ 南 明日香/ 川江 祐司朗
[株式会社 竹中工務店 開発計画本部]
審査講評
  • 駅前広場~埼玉会館~県庁への軸を基点として自己実現するまちをめざしている構想。構成要素の組み立ては秀逸であるが、「グランドビジョン2051」と「エリアビジョン2041」の関連について、より明確な提示があれば良かった。
  • オープンスペースに着目してきめ細かく積み重ねた提案群や、自己実現をキーワードに地区内に空間要素を展開する提案に説得力がある。浦和駅前の提案に関しては、このキーワードのコンセプトがやや弱く感じる内容であった点に改善の余地があると思料。
  • 都市を自己実現の場として、都市における人々の活動による消費エネルギーに着目する斬新な視点に基づき、都市構造の転換を提案した作品。人が中心となる都市デザインの提案が優れた作品。
  • 都市空間に何を期待しているのかわかりづらい内容。表現の問題かと思うが、都市デザイン競技であるから、都市空間としてわかりやすい打ち出しが添えられるとより良かったと思われる。
1枚目
2枚目

奨励賞

作品名
ALL FOR UraONE! 
~浦和のひと・もの・ことを活かした、地域に根差したリノベーション~

 
受賞者
志波 湧志/ 川島 快  [清水建設 株式会社]
審査講評
  • 都市の有する課題を「構造」「機能」「生活」のレベルから提示し、「Ura ONE」というコンセプトのもとに、リノベーション方針を提示していることは、大変わかりやすい都市デザイン。特に、「緑豊かな保育ゾーン」に焦点を当てて、詳述している点が、他の案にはみられないユニークな提案内容と評価。
  • 「緑豊かな保育ゾーン」の南北軸はイメージ豊かで楽しい生活のイメージが湧く作品。
  • AI やモビリティなど新しい技術を活用して、設定したゾーン毎にリノベーションの手法を具体的に提案している内容。都市軸としての玉蔵院通りに着目した提案内容。
  • 地区内に複数の提案を展開している案だが、「緑豊かな保育ゾーン」と「駅前広場」にもう少し共通のコンセプトが含まれていると、よりわかりやすくなったと考える。
1枚目
2枚目

奨励賞

作品名
Ever Land - 夢を叶えるまち浦和-
 
受賞者
大田 詩織/ 金川 大倫[滋賀県立大学大学院 環境科学研究科 環境計画学専攻]
大家 成葉/ 権藤 友菜/ 松田 杏奈/ 山内
平[滋賀県立大学 環境科学部 環境建築デザイン学科]
審査講評
  • この難しい課題に対し、いかにも若い方のセンス、興味、アプローチで、提案者の想いがこもった提案で、それが物量的にも充実していることに目を見張った。極めて今日的な提案で、時代の変化を表している。惜しむらくは、今少し落ち着いた色調で表現された方が一層引き立ったのではないかと思う。
  • 一幅の絵をみるように、「夢を叶えるまち浦和」が描かれている。「みんなの夢の実現例」が示されていて、多様な可能性をイメージできるが、これらの現象をふまえて都市デザインへと昇華させる道筋を示することを期待したい。
  • プログラムを重視した「コト」おこしを行うことから始める都市デザイン、という新しい世代のアプローチがよく表現されている。「インセンティブ」「リンク」「プレイス」という提案は、わかりやすいが、浦和ならではのプレイスメイキングに持ち込むための工夫、空間の提案があれば、さらに具体的になると思われる。
  • 夢を叶えるというコンセプトや市民会議による運営・しくみがしっかりと伝わる作品。ミクロなエリアの特性を生かし、多様性のある夢の実現を提案している。本課題の要求であるゾーン設定や駅前広場のデザインがより具体化されることを期待する。
1枚目
2枚目

さいたま市長特別賞

作品名
U - キャンパス - 子育て世代に向けた循環型の教育都市-
 
受賞者
田中 勇気/ レタンロン/ 櫻本 敦士/ 渡邉 祐大/ 大井 彩有里/ 小谷 春花/ 山本 雄一/ 橋元 一成
[戸田建設 株式会社]
審査講評
まちの特性を的確に捉え、将来像に反映したコンセプトは明確でインパクトがある。この作品では、教育、交通、地形・自然の基本骨格を融合させた空間の提案により、標準装備と個性特出の都市性能を実現するイメージが表現されており、かつ創造革新につながる大胆なデザインである。
「どこか高いところから浦和を眺めたくて、県庁の屋上を思いついた。~略~浦和には樹木が多い。自惚れて言えば、森の都と言っていいかもしれない。」明治時代に活躍した浦和絵描きを代表する画家高田誠氏の言葉である。昔、浦和には、描きたくなる風景があった。地形を生かして、浦和にとって重要な緑を再生・再構築。また、生まれ育った街を望む場が設けられており、浦和のまちを大切にする想いが感じられた。風格ある多彩な文化を昇華するリ・デザインが考えられており、子育て環境や自発的学習の場、ヒートアイランドの抑制やレジリエンス化等といった都市の課題解決を図ろうとする点を高く評価した。(さいたま市)
1枚目
2枚目

総評

  • 課題が総合的で、すべてに対して満足のいく答えを描き出すのは大変だったと思うが、多くの作品が正面からチャレンジしており、提案力に良い印象を持った。
  • 歴史と文化が重層する浦和のまちに、新しい未来を描くという、むずかしい課題の競技設計であった。結果的に、歴史と伝統を丁寧に読み込み、革新的都市デザインへと昇華させた案が選ばれたことは、未来への布石となるものである。丁寧に熟慮を重ね応募されたみなさまの情熱と力に敬意を表する。
  • 今回のテーマは結構、難しいものであった。特に浦和駅前広場周辺の提案については、十分に解けていない提案が多かったように思われる。土木と建築のさらなる融合が望まれる。
  • ここ数年の作品には、都市デザインに関する提案の説明が、あまりにも過剰な“文字言語”で行われ過ぎていないかと感じている。本競技の最終目標が、都市空間の“価値”を問い、その最大化を具体的に表現、提案することにあるとすれば、何よりも“空間言語”として明解に判りやすく提案することに、よりエネルギーを注ぐよう取り組むことが必要と感じる。

結果概要(応募件数・審査方法・受賞作品・審査講評)

<掲載作品>
国土交通大臣賞・まちづくり月間全国的行事実行委員会会長賞・(公財)都市づくりパブリックデザインセンター理事長賞
<掲載作品>
奨励賞(2点)・さいたま市長特別賞

受賞作品展示

さいたま市にて、受賞作品パネルの展示が下記のとおり実施されます。
お時間がございますようでしたら、是非ご覧ください。
 
[受賞作品パネル展示]
1. 期間:6月27日(月)~7月8日(金)正午まで
    場所:市役所本庁舎 浦和区役所ロビー内
 
2. 期間:7月9日(土)~8月1日(月)正午まで
    場所:市民活動サポートセンター内(コムナーレ9階)

「浦和駅まちづくりビジョン」資料編への応募作品の掲載

さいたま市にて、2023年2月に「浦和駅まちづくりビジョン」が策定されました。
本編の資料編に、第24回(2021年)まちづくり・都市デザイン競技の概要と、応募作品が掲載されています。

[浦和駅まちづくりビジョン]

過去の入賞作品

過去の入賞作品はこちらをご覧ください
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